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御殿で味わう伝統料理「本丸御膳」

 よみがえる熊本城本丸御殿 のつづき

 昨日、熊本城本丸御殿について紹介しましたが、一か所飛ばしてしまったところがありました。

 「大御台所」 当時、藩主に出す料理をこの大きな台所で調理していました。
 武家屋敷でこれほど大きな台所は大変珍しいとのこと。
熊本城本丸御殿(大御台所d)

 2階部から見下ろした「大御台所」 大きな囲炉裏が二つあります。
熊本城本丸御殿(大御台所e)

 囲炉裏とかまどの煙を抜くため、天井が吹き抜けになっています。大きな丸太の梁が何本もめぐらされて迫力ありますので、ぜひ頭上を見上げてみてください。
   熊本城本丸御殿(大御台所a)

 当時、藩主が食したという祝いの膳がレプリカ展示されてました。
   熊本城本丸御殿(大御台所b)

 
 実は、この「大御台所」にて、上の写真のような伝統料理を再現した「本丸御膳」が食べられるというのです。
 
 お料理は頂くには事前予約が必要で、一日50食限定です。(後述します)
 一人前3000円というリーズナブルな価格で、二人以上から申し込めます。

 スタッフに名前を告げると、大御台所の2階に案内されます。この日は一番乗り!
 食事処は小屋根裏みたいな感じのところです。燭台のやわらなか明りが灯り、雰囲気出てます。
熊本城本丸御殿(大御台所c)

 席に通されると、すぐお膳が出てきました。
 食器類も漆塗りに金の蒔絵が施されており、豪華です。これは楽しみ・・・。
本丸御膳1



 器の蓋を開けてみました。熊本に伝わる古文書をもとに再現された料理です。
 スタッフの方が逐一料理の内容を解説してくださいます。

 お料理は、市内にある「青柳」さんという日本料理店が担当しているのですが、本丸御殿は文化財なので火が使えないため、お店で調理したものを保温して、こちらに持ってきているということです。 
本丸御膳3


 【御膾】鱸(スズキ)昆布締め 和蛸   煎酒・梅醤
 
近世初期にはまだ醤油が存在しないため、お刺身は下の2つの調味料をつけて頂きます。
 “煎酒”は醤油の普及以前、室町時代末からある調味料で、酒と削り鰹、梅干等を煮つめ濾して作ります。この御膳では熊本古来の“赤酒”を使用。
 “梅醤(うめびしお)”は梅肉を裏ごししたものに砂糖を加えた調味料です。
 そういえば、以前紹介した「謙信公のかちどき飯」でも同じ感じで出ていましたね。
   本丸御膳2


 【御汁】くしいと  そゝろ麩

 “くしいと”とは、ポルトガルから伝来した料理「コジイド(ゆでた肉)」に由来するといわれています。
 “そゝろ麩”は万延元年(1860年)、藩主・細川慶順初入国を祝う御祝御能の膳(上方のレプリカの写真)にも使われました。
   本丸御膳7


 【御飯】菜飯  【御香物】味噌漬いろいろ

 享保15年(1730年)刊『料理綱目調味抄』の菜飯に、しらす干しをあしらいました。
 ※ご飯は白米ならお代わりできます。
   本丸御膳5


 【御平椀】 くずたたき 鯛 青菽乳(あをまめとうふ) 蚕豆 水前寺菜
 
 “青菽乳”は天明二年(1782年)刊『豆腐百珍』の料理です。春らしく蚕豆をあしらいました。
 “水前寺菜”は、熊本市の伝統特産「ひご野菜」に指定されています。一見、ワカメに似ていますね。
   本丸御膳4


 【御猪口】 玉子ふわふわ 熊本黒皮かぼちゃ きくらげ 胡椒

 “玉子ふわふわ”は『料理物語』を始め江戸時代の料理書に多出し、とき卵にだしを加えふんわりと固めた料理です。今でいう“茶碗蒸し”よりもふんわり仕上がった感じ。
 “熊本黒皮かぼちゃ”は水前寺菜とともに熊本市の伝統特産「ひご野菜」に指定されています。

   本丸御膳6


 【御肴】 鮑かまぼこ 鱚(キス)の金魚焼・海老・たまごかすてら焼
     とふこ味噌  一文字ぐるぐる  辛子蓮根 豆腐味噌漬


 “鮑かまぼこ”(手前)はあわびと鯛でつくります。かまぼこは当時最高級のもてなし料理でした。
 “鱚の金魚焼”(左の串)は山吹焼ともいわれ、卵黄をひいて山吹色に焼き上げる料理です。
 “たまごかすてら焼き”(左の串)は、くわいを混ぜてかすてらおようにふっくらと焼いた厚焼卵です。
 “辛子蓮根”は、熊本藩細川家初代藩主・忠利の滋養のためにつくられたといわれています。蓮根の断面が細川家の家紋「九曜紋」にも見えることから、明治維新まで門外不出だったとか。
 “とふこ味噌”(右上の黒枡の中)は「桃香味噌」等とも記され、けし実、生姜、きくらげなどを加えたなめ味噌の一種です。
 “一文字ぐるぐる”(上の焼物小皿)はわけぎ(ネギ)を巻いたものに酢味噌をかけたものです。(“ぬた”みたいな感じ)
 “豆腐味噌漬”(右の白い小皿)は濃厚なクリームチーズのようなもの。

 本丸御膳8


 なお、【御肴】は熊本名物“辛子蓮根”をはじめ、しっかりした味付けのものなので、思わずお酒が欲しくなるような料理でした。
 私は日本酒がダメなので、せめてビールくらい頼もうと思ったら、「城内のため、お酒・ソフトドリンク等は提供しておりません」とのこと。
 出てくる飲み物は日本茶のみです。。。
 (※茶碗の蓋に、細川家の家紋である九曜紋がありますね)

   本丸御膳10


 【御菓子】 朝鮮飴 妙解寺納豆 干こる豆

 熊本銘菓の“朝鮮飴”は江戸時代熊本藩細川家から幕府への献上品でした。この御膳では、絹ぶるいを通した上白もち米と白砂糖を使う極上のレシピに、くるみを入れました。
 飴といっても、柔らかな餅菓子みたいな感じです。
 “妙解寺納豆”は、細川家の菩提寺妙解寺の寺納豆(塩辛納豆)です。“干こる豆”は糸引納豆の塩漬を干したもので、熊本に伝わる保存食品です。
    本丸御膳9


  
 おかげ様で、綿密に考証された、本格的な武家の儀礼料理をゆっくり味わうことができました。
 ひとつひとつの料理に、「もののふ」の心を感じます。
 

 「本丸御膳」実は本丸御殿が復元されて以来、かれこれ4年近く提供されているのですが、以前はお客さんが殺到していて、私は予約しそこねたことが2度あったのです。
 「三度目の正直」といいますか、今回やっと予約することができました。土日祝は込み合うことが予想されるので、日程が決まったら、早めに予約電話を入れておいたほうがよいかと思います。

 予約先は「郷土料理 青柳」(℡096-325-0092)まで。食材の都合があるので、予約日の3,4日前までに申し込んでください。

 なお、通常お料理の提供時間は11時半から14時までですが、平成24年9月1日~10月27日までの毎週土曜 、平成24年9月29日・30日、10月5日・12日 は熊本城の夜間開園にちなんで、夜の時間にも提供しているそうです。(詳細はお問い合わせください  ※熊本国際観光コンベンション協会(新着情報)参照)


 参考サイト 熊本城公式ホームページ(イベント情報)
       
       

       
 いつもご覧いただき、どうも有難うございます。
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ジャンル : グルメ

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非公開コメント

美味しそうですね。

これは、熊本城再訪の折には是非、食してみたいですね。

教えて戴き有難う御座います。

Re: 美味しそうですね。

酔いどれJohnny様

 こんばんは。コメントどうも有難うございます。

> これは、熊本城再訪の折には是非、食してみたいですね。
>
> 教えて戴き有難う御座います。

 ぜひ召し上がってみてください。ただし、今回の献立には「馬刺し」はなく、お酒もNGなのですが。。。(季節により献立が変わるようです)

本丸御膳

私もこの5月に熊本城へは行きましたが、六文銭さんの視点の細やかさには驚嘆です。

「本丸御殿」も「大御台所」も見学しましたが、「本丸御膳」については存在と食す場所など全く気付きませんでした。
旅先でも早飯で済ますような私とは「食」に対する文化意識の違いを認識しました。
も少しゆっくりと食事をする余裕を持ちたいものですね。

今週は北陸を攻めますが、天候は「曇」予報でしのぎ易い行程になりそうです。

Re: 本丸御膳

 柴様

 こんばんは。コメントどうも有難うございます。


> 私もこの5月に熊本城へは行きましたが、六文銭さんの視点の細やかさには驚嘆です。
>
> 「本丸御殿」も「大御台所」も見学しましたが、「本丸御膳」については存在と食す場所など全く気付きませんでした。
> 旅先でも早飯で済ますような私とは「食」に対する文化意識の違いを認識しました。
> も少しゆっくりと食事をする余裕を持ちたいものですね。



 いえいえ、実はあの御台所2階への入り口は一見わかりにくい場所にあるんです。係員に案内されないと見過ごしてしまいます。
 私も以前は朝食抜き、昼食抜きで墓参りや史跡めぐりするような無茶をしてたんですが、さすがに体がもたなくなってきまして。。。(苦笑)
 30才くらいまで食が細くて、あまり食事にも興味なかったんですが、ここ数年「食」の面でも歴史を意識するようになってきました。


> 今週は北陸を攻めますが、天候は「曇」予報でしのぎ易い行程になりそうです。

 猛暑日にならなさそうでよかったですね!ご旅行、どうぞ楽しんできてください。
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日本100名城スタンプラリー終了・・・2011年7月、根室半島チャシ跡群にて、無事100名城完全制覇しました。
2010年5月、47都道府県踏破済み。(離島を除く)
歴史の現場を、実際歩いて確かめることをモットーに、全国を行脚中。いつかあなたの住む町へ行くかもしれません。
東京生まれ東京育ち。
大卒後、音楽関係の仕事、専業主婦、現在は零細企業で総務関係の仕事をしています。

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