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北関東の戦国時代~戦国の終焉~(栃木県立博物館)

 栃木県宇都宮市にある栃木県立博物館では、現在テーマ展
「北関東の戦国時代~戦国の終焉~」を開催中です。(4月1日まで)
 栃木県立博物館

 【開催趣旨】
平成23年度の北関東自動車道の全面開通に伴い、北関東3県(茨城・栃木・群馬県)相互の交流が重要視されるようになりました。
 そこで本展では戦国時代の北関東地方に注目し、とくに戦国末期の下野の状況を中心に、さまざまな資料から北関東の戦国時代の特質に迫ります。
 なお、本展は茨城県立歴史館・群馬県立博物館との共催により、北関3県共通テーマとして開催するものです。
 著名な戦国大名である上杉謙信・北条氏康・武田勝頼らの書状のほか、今回あらたに発見された皆川俊宗(下野国皆川城主)の書状(初公開)などを展示します。


 上記にもあるように、昨年より茨城県立博物館・群馬県立歴史博物館そして栃木県立博物館の3館リレーで、戦国時代の北関東について展示を行ってきました。
 そして、今回栃木県立博物館がその最後になります。(私は昨年、群馬県博の展示は見てきました)
 今回の展示で扱われていたのは天正10年(1582年)の「本能寺の変」の前後から、羽柴秀吉による「宇都宮仕置」まででした。
 この時代、関東では小田原の北条氏が勢力を拡大していましたが、宇都宮氏や佐竹氏など北関東の武将たちはこれに激しく抵抗していました。
 北条氏は織田信長と関係を強化することで、関東における覇権をゆるぎないものとしようとし、信長もこれにはまんざらでもなかったようで両社は良好な関係を築くにいたりました。
 ところが、天正10年に「本能寺の変」がおこり、信長が死ぬと状況が一変します。信長の後継をめぐって、羽柴秀吉と徳川家康との間で戦がおこります。これは濃尾平野で展開された「小牧・長久手の戦い」といって有名なものですが、これに連動して関東でも北条氏と宇都宮・佐竹氏など北関東の武将たちとの間で「沼尻合戦」という戦がおこりました。

 下の写真は、北条氏と佐竹・宇都宮氏ら連合軍が対陣した「沼尻古戦場」です。栃木県南部にある「三毳山」の南山麓にあります。(2007年4月撮影)
 私は5年前に現地を散策したのですが、目だった遺構も残っておらず、ただひたすら山をバックに農地が広がるだけでした。
 沼尻古戦場

 この「沼尻合戦」ですが、戦闘では両陣営とも大きな成果をあげられず、長期にわたる「にらみ合い」の末、結局和平とあいなりました。和平交渉では北条氏側が有利に立ち、北条氏による関東統一は目前と思われました。
 ところが、徳川家康との争いに勝ち、信長の後継におさまった羽柴秀吉は佐竹氏ら北関東の諸将に介入工作を行い、このことで北条氏は秀吉の「敵対者」として位置づけられた結果次第に窮地へ追い込まれ、やがては天正18年(1590年)の小田原攻めにより滅ぼされました。

 展示では文書類がほとんどで、この一連の経過に関連するものが約40点ほど紹介されていました。同館が所蔵する「那須文書」(北関東の豪族・那須氏に伝わった文書)の中にある有名武将の書状や、信長・秀吉・家康の朱印状などが目立ちましたが、中には庶民に関する史料がありました。北条氏の支配下にあったある四つの村の人々が、戦になった時家財が略奪されるのを防ぐため、それらを俵に詰め、それを古河にある蔵元へ預けていたところ、いざ戦が済んだら蔵元がそれを返却してくれないというので、訴訟沙汰になったという史料がありました。
 この時代、戦で略奪などされないように、庶民が自分の家財を俵詰めにして預かり所へ預けておくといったことが行われていたんですね。初めて知りましたが興味深かったです。 
 その他、最近「那須文書」の中にあった差出人不明のある書状が皆川俊宗という武将の書いたものと最近確認されたそうです。これは、熊本大学に寄託されている「細川家文書」〈熊本藩細川家に伝わった文書)の中に俊宗の書状があることが最近見つかり、その書状と那須文書にあった差出人不明の書状の花押などが一致したので判明したという話でした。こういう偶然もあるのですね。

 このようにひとつひとつの史料は面白い点もあったのですが、展示全体としての流れがわかりにくかったです。普段、文書などに親しみのある玄人向きの展示という印象でした。また、予算の関係で図録も発行されていなかったのも残念です。
 展示を記念して、来る3月24日には同館にてシンポジウムが行われるそうですが、地元の方を中心に人気が高く、すでに満員御礼だそうです。

 なお、今回の展示の元ネタになったのは、江戸東京博物館学芸員の斎藤慎一さんが2005年に出された『戦国時代の終焉~「北条の夢と秀吉の天下統一~』という本だと思います。
 従来あまり一般的には知られていなかった「沼尻合戦」について詳述されており、秀吉の天下統一までの関東の戦国史をわかりやすく叙述していますので、ぜひご一読されるといいと思います。
   
戦国時代の終焉 - 「北条の夢」と秀吉の天下統一 (中公新書(1809))戦国時代の終焉 - 「北条の夢」と秀吉の天下統一 (中公新書(1809))
(2005/08/26)
齋藤 慎一

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  参考サイト 栃木県立博物館

 
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この本読んだ

なんとなく頭の片隅にあるタイトルだなあ、と思っていたら最後に中公新書の紹介が。
そうそうこの本見覚えがあるので、さっき確認したらやっぱり読んでました。

何年か前でしたが、いろんな地域や角度から歴史を研究している人もいるんだなと読後感じたものでした。
今回の展示とこの本を関連づけたその眼力に恐れ入ります。

Re: この本読んだ

 柴様
 
 こんばんは。コメントどうも有難うございます。ご返事が遅くなりスミマセン。

> なんとなく頭の片隅にあるタイトルだなあ、と思っていたら最後に中公新書の紹介が。
> そうそうこの本見覚えがあるので、さっき確認したらやっぱり読んでました。
>
> 何年か前でしたが、いろんな地域や角度から歴史を研究している人もいるんだなと読後感じたものでした。
> 今回の展示とこの本を関連づけたその眼力に恐れ入ります。
 
 そうでしたか!以前お読みになっておられたのですね。
 この本は当時かなり話題になりましたので私も読みました。関東の諸将の争いに、バックで秀吉と家康がからんでいたというのがキモです。
 ただ、この本で取り上げている「沼尻古戦場」も行ってみたのですが。。。現地へ行っても全然合戦のイメージがわきませんでした。。。(苦笑)
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