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伯爵家のまちづくり~学者町・西片の誕生~(文京ふるさと歴史館)

 東京都文京区は古い寺が多いので、私もたまにですが、有名人の墓巡りがてら周辺を散策したりしています。
 その途中で、郷土史を調べに地元の小さい資料館へ立ち寄ることもあります。
 文京区本郷にある文京ふるさと歴史館では現在、収蔵品展
「伯爵家のまちづくり~学者町・西片の誕生~」を開催中です。(3月18日まで)
  伯爵家のまちづくり

 
 文京区内の「西片」という地区には、江戸時代備後福山藩・阿部家の中屋敷(丸山屋敷)がありました。阿部家というと譜代大名ですが、幕末の老中、阿部正弘(1819~1857年)は歴史ドラマなどにも登場したりしてご存知の方も多いと思います。
 この丸山屋敷は慶長15年(1610年)に二代将軍・徳川秀忠より拝領したということで、その時は10万坪!の広さがあったそうです。
 江戸時代中、江戸城に近い上屋敷などは転居もあったのですが、この中屋敷(丸山屋敷)だけは広大な土地の一部を上地されることもあったものの、ずっと幕末まで移転されることはなかったといいます。
 幕末、福山藩では佐幕か勤王かでスッタモンダがあったのですが、結局官軍側についてしまい、阿部家は明治維新以降伯爵となり華族に列せられます。
 阿部家の旧丸山屋敷には武家地だったため正式な土地名がなく、明治5年ごろ、阿部家の家臣だった人が中仙道を挟んで向かい側にあたる駒込片町の人々と話し合いをし、道の東側にあたる旧来の片町を「東片町」、西側の武家地を「西片町」と名付けました。これが西片地区の名前の由来となります。(江戸時代、「町名」とは町人地の土地に名付けられるものであり、武家地には名前がなかった)

 阿部家では旧丸山屋敷に新しい邸宅を建てる一方、明治21年頃から余った土地を住宅地として開発をはじめます。当初は旧福山藩士の借地人が多かったそうですが、阿部家では道路や井戸の整備、下水溝やゴミ捨て場の管理など、インフラの整備を積極的に行っていました。この過程は『殖産日記』と題する記録に記されており、今回展示されていました。
 また、西片は本郷の帝國大学(現在の東京大学)に近かったため、学者や文人が多くその住まいを構えていました。坪井正五郎(人類学)、武田五一(建築学)、夏目漱石(文学)など著名な文化人が名を連ねています。そのため、明治末頃には「学者町」と呼ばれるようになったといいます。

 今回の展示ではそのほとんとが阿部家から寄贈された資料だったのですが、近代の町の変遷が詳しくわかり、興味深かったです。明治維新以降、現在に至るまで150年くらい経っているわけですが、都内の場合関東大震災や東京大空襲があって、自分の住んでいる町がどのような変遷を辿っってきたかは案外わからないものですから、このようにまとまった資料が阿部家に残されていたというのには感心しました。
 なお、阿部家では自分の土地を開放・開発するにあたって、文化的な住宅地にすることを目指していたことが資料からわかりました。そして、阿部家が目指したとおり、現在でもあの周辺はしっかりした戸建てのお宅が多いです。

 私が行った日は平日にもかかわらず、狭い展示室内に5,60人もの人々がつめかけていました。通常は見学者は数人程度なんですが、おそらく、町内会などで誘い合って来られたものと思われます。あの辺りは古くから代々住んでらっしゃる方も少なくないようですので、町の歴史に関心があったからでしょう。
 なかなか良い展示ではありましたが、図録がなかったのが残念です。予算的に厳しかったのでしょうが、なかなか好評を博しているようですし、白黒印刷でもいいので図録を作成したほうが良かったのでは・・・と思いました。
 今回の展示では阿部家のご協力も多々あったようです。2~3年前広島県の福山城博物館へ行った時、ご子孫の方が尾見えになっておられました。阿部家ではかつての領地にある同博物館へも資料の寄贈・寄託を行っておられ、なかなか歴史や史料保存へのご理解が深いものとお見受けしました。

 参考サイト 文京ふるさと歴史館


 入館料・一般100円 開館時間 午前10時~午後5時 毎週月曜・第四火曜日休館(ただし祝日にあたる場合は開館、その翌日休館)
 文京ふるさと歴史館

 
   
より大きな地図で 文京ふるさと歴史館 を表示


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日本100名城完全制覇と有名人の墓めぐり(掃苔)
日本100名城スタンプラリー終了・・・2011年7月、根室半島チャシ跡群にて、無事100名城完全制覇しました。
2010年5月、47都道府県踏破済み。(離島を除く)
歴史の現場を、実際歩いて確かめることをモットーに、全国を行脚中。いつかあなたの住む町へ行くかもしれません。
東京生まれ東京育ち。
大卒後、音楽関係の仕事、専業主婦、現在は零細企業で総務関係の仕事をしています。

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