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「城山三郎」展

 これからお城の話を書くつもりでしたが、たまたまご紹介したい展示がありましたので、、先にその件について書きたいと思います。

 現在、神奈川県横浜市にある「神奈川県立近代文学館」にて「城山三郎展-昭和の旅人」が開催中です。

城山三郎展


 城山三郎(1927~2007)は経済小説の第一人者として長年活躍されてきた小説家で、代表作に『落日燃ゆ』『男子の本懐』等、主に近現代の日本人の姿を中心に描き続けてきました。
 残念ながら、3年前に79歳をもって他界されました。
 城山さんの死後刊行された、亡き夫人との心あたたまる回想記が話題となり、テレビドラマ化もされるほど城山さんの知られざる家庭人としての一面が脚光を浴びています。
 
 私自身、『落日燃ゆ』『雄気堂々』など城山さんの著作は数えるほどしか読んでいないので、あまり良い読者とは言えないのですが、せっかくの回顧展ですので訪れた次第です。
 城山さんの生い立ち、軍隊生活、教員をしながらの修作時代、主な作品についての解説、そして亡き夫人との思い出といった流れで原稿や写真等が展示されています。

 私が最後に城山さんの姿を見たのは、たしか2003年頃、テレビ朝日で放映されていた報道番組「ニュースステーション」の中だったと思います。
 その日、何気なくつけていたテレビの向こうで、城山さんがゲストとして招かれていて、「個人情報保護法案」を通してはいかに駄目であるか、という事をとつとつと語っておいででした。
 当時まだ若かった(?)私は、世の中の色々な難しいことを考える頭がなく、「個人情報保護法案」についても正直よく知らなかったんですが、この法案が施行されれば、即「言論の自由」に抵触し、近い将来取り返しのつかない事になるという城山さんの切実な訴えを、危機的に受け止めたのを覚えています。

 テレビの向こうの城山さんは、私が雑誌等の写真で拝見したお姿よりもお年を召しておられ、頬の肉も削げ落ち、相当やつれているように見受けられました。
 しかし、見開かれた城山さんの眼は射るがごとき炯眼だったことが今も脳裏に甦ります。

 後で知ったのですが、時の総理大臣にまでこの法案をすみやかに破棄するよう、わざわざ書簡を送っておられたのだそうです。
 
 ご高齢の身で、同法案の阻止に奔走されていて文字通り心身すり減らす毎日だったであろうと推察しますが、やがて自らがやりぬくべき最後の仕事を終えたかのようにこの世から旅立たれました。

 戦前皇国少年だった城山さんは十代の頃、特攻隊への憧れを募らせ、海軍へ志願入隊したのでしたが、上官からの日常茶飯事ともいえる暴力を受け、この時の辛い経験が原体験となり、一生涯「暗い時代」の記憶を忘れることはありませんでした。
 そのような城山さんだったからこそ、後の世代に対して警告を発せずにはいられなかったのでしょう。

 城山さんの著作は、圧倒的に近現代史のものが多いのですが、ある意味書くのがかなり大変だっただろうと思われます。
 太古の昔を書くより多くの資料も揃っている反面、小説の登場人物が存命であったり、その人物の子や孫が存命だったりするわけで、ある程度制約があったというか、取材しておきながら表だって書けない話も当然あっただろうと思います。
 しかし、そうした制約の中で、最大限登場人物に率直に相対した筆致は城山さんならではの大したものだと思います。

            つづく

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日本100名城スタンプラリー終了・・・2011年7月、根室半島チャシ跡群にて、無事100名城完全制覇しました。
2010年5月、47都道府県踏破済み。(離島を除く)
歴史の現場を、実際歩いて確かめることをモットーに、全国を行脚中。いつかあなたの住む町へ行くかもしれません。
東京生まれ東京育ち。
大卒後、音楽関係の仕事、専業主婦、現在は零細企業で総務関係の仕事をしています。

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