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戦国の雄 池田家(林原美術館)

 岡山県岡山市にある林原美術館では、現在
企画展「戦国の雄 池田家」を開催中です(12月25日まで)
 林原美術館
   戦国の雄 池田家


 この林原美術館では、同館の創設者である林原一郎〈実業家)という人が、戦後岡山藩池田家から同家に伝わる美術品や古文書等を買い取ったため、同館には池田家由来の由緒ある品々が多数所蔵されております。
 今回の企画展では、その中から戦国時代の池田家にまつわる史料を40点あまり展示しております。

 江戸時代、長く岡山を治めた池田家の礎は、戦国時代に織田信長の乳兄弟であった
池田恒興(1536~1584年)によって築かれます。
 乳児の頃から癇性であった信長は、乳母の乳首を噛み切ってしまうというので何人も乳母が逃げていったそうですが、池田恒興の母であった養徳院という女性が乳母に抜擢されると、不思議と信長は彼女には懐いたのだそうです。
 このため、信長は生涯にわたって養徳院のことを、「大乳人(おおめのと)様」「大御乳(おおおち)」と呼んで慕ったという話が残っていますし、信長の家臣であった羽柴秀吉〈後の豊臣秀吉)からも一目置かれた存在だったようです。
 
 本能寺の変後、池田恒興はいちはやく秀吉に与し、山崎の戦いで明智光秀を破っていますし、その後「賎ヶ岳の戦い」でも秀吉方について戦ったため、戦後は摂津二郡に加えて織田信孝の遺領である美濃13万石と岐阜城を与えられています。
 順風満帆に見えた恒興でしたが、天正12年(1584年)におきた「小牧・長久手の戦い」において徳川勢の奇襲を受け、恒興は嫡男の元助および娘婿の森長可と共に戦死してしまいます。

 主と跡継ぎを失った池田家でしたが、秀吉のはからににより、恒興の次男である輝政が家督を継ぐことになります。
 鳥取藩池田家の項(過去記事 「鳥取池田家墓所」参照)でも書いたのですが、この池田輝政には奥さんが二人いまして、系図を挙げると以下の通りになります。
 輝政の先妻は、「賎ヶ岳の戦い」で戦死した中川清秀の娘で糸姫といい、彼女は嫡男の利隆を生みました。
 しかし、後に輝政は徳川家康に接近し、家康の娘で、はじめ小田原の北条氏直に嫁して氏直の死後出戻っていた督姫を妻に迎えることになり、糸姫を追い出してしまうんですね。
 戦国時代は政略結婚が普通だったとは言え、酷い話です。
 しかし、こうして輝政が徳川家の縁戚になったことが、後の池田家の繁栄につながったのでした。また輝政は姫路城を今日見られる形に改修したことでも有名です。
  池田家系図

 しかし、紆余曲折があり、輝政の先妻の子である利隆の家系が岡山藩に入るというわけです。

 そこで今回の展示の目玉です。林原美術館に所蔵されている池田輝政・利隆父子の肖像画(狩野尚信筆)と、鳥取県立博物館に所蔵されている池田恒興の肖像画は本来一組であったことが判明し、350年ぶりに親・子・孫三幅が一堂にそろいました。(左・池田利隆 中央・池田恒興 右・池田輝政)
 池田家三代

 この三人の肖像画は同時に作成されたものだったのですが、何らかの理由により、恒興の画だけが鳥取の池田家の方に渡ってしまったんだそうです。(※恒興の肖像画は11月27日で展示終了しています)

 その他、秀吉や家康の書状等、貴重な史料があったのですが、中でも池田恒興所用「黒塗黒糸威桶側胴具足」という甲冑が気に入ってしまいました。前身真っ黒な甲冑なのですが、兜に前立てなども付属せず、いたってシンプルで実戦向きなのです。
 こうして、織田信長の近習から身を起こした池田家が、やがて近世大名として発展していく過程を、うまく説明できており、よくまとめられた展示だったと思います。
 正直申しまして、この時岡山城のほうで開催していた宇喜多家関係の展示(過去記事 「宇喜多家三代秘話展」参照)よりも面白かったので、1時間半くらいゆっくり見学させていただきました。
 会期は今月25日までですし、岡山城の近所ですので、お近くの方はぜひ立ち寄ってみてください。

 ところで、この林原美術館ですが、今年の2月親会社が業績悪化のため民事再生法の適用という事態に陥り、美術館のほうも一時は存続が危ぶまれたらしいです。
 とりあえずは当面のスポンサーは見つかったようなのですが、私立の美術館の場合、こういうケースは十分おこりうることなので、今後同館の貴重な所蔵品が散逸することのないよう、願うばかりです。
 
 
 参考サイト 林原美術館



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日本100名城スタンプラリー終了・・・2011年7月、根室半島チャシ跡群にて、無事100名城完全制覇しました。
2010年5月、47都道府県踏破済み。(離島を除く)
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