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因州兵の戊辰戦争(鳥取市歴史博物館)

 鳥取県鳥取市にある鳥取市歴史博物館(やまびこ館)では、現在特別展
「因州兵の戊辰戦争~いくさと弔いの明治維新~」を開催中です。(10月30日まで)

 参考サイト  鳥取市歴史博物館「やまびこ館」

  鳥取市歴史博物館

 【展示趣旨】
 因州藩の戊辰戦争についての展覧会。国事周旋にかかわる鳥取藩士の動きを踏まえつつ、主に鳥羽伏見の戦いから上野戦争、北越奥羽戦争への従軍の経緯、戦没者の弔いに至るまでを関連の資料で追跡します。また、全国に散在している関連資料を収集、展示することで、従来顧みられなかった輜重方(軍需品を取り扱う下級兵士)や下級藩兵の視点から近代の幕開けとなる「いくさ」の実態も語り継ぐ内容となっています。


  因州兵の戊辰戦争

 幕末、鳥取藩はいち早く官軍側に付き、家臣たちは戊辰戦争へ従軍しています。今回の展示では因州兵が各地を転戦していった足跡を辿る内容となっています。
 鳥羽伏見の戦いの後、因州兵は大きくわけて二手にわかれ、一方は東山道を、もう一方は北陸道を進軍していきます。
 戦の過程で、かなり多くの犠牲者を出しているのですが、大きな犠牲を払った割には新政府からその功は認められず、従って鳥取藩から明治新政府に出仕した人はほとんど輩出しておりません。
 こうして報われなかった鳥取藩士族のフラストレーションは維新後に高まっていきます。
 
 今回の展示で特記すべきは、戊辰戦争で戦死した因州兵の墓を一つ一つ丹念に調査しているということなんですね。
 展示にあたり、同館では約1年前から準備していたそうなんですが、3人の学芸員さんで分担して調査に辺りました。
 一人の方は京都方面を、もう一人の方は秋田にある因州兵の墓を、さらにもうお一方は福島にある墓をわざわざ調査しにいかれたそうです。鳥取からですと東北地方は遠方ですので、けっこう大変だったのではないかと思われます。
 このうち、福島県いわき市で戦死したある兵士の位牌や、慰霊祭で使われたという幟旗を地元の旧家の方が大切に保管していたのですが、3月11日の震災でそのお宅も被災し、津波のため一部家財道具が流されたそうです。
 しかし、死んだ因州兵の位牌および幟旗を神棚に置いて保管していたため、神棚までは水が来なくて、奇跡的に難を逃れたということです。(これらの品は出展されています)
 この事は展示にも図録にも掲載していない活字になっていない話なのですが、個人的には静かな感動がありました。
 こちらの墓のみならず、各地で犠牲となった因州兵は、直接関係のない地元の方々の手によって供養され、墓が伝えられてきたという事実にも胸を打たれます。

 展示では歴史のある一部分を扱っているのですが、私からみますと、たとえ敵味方に分かれて戦が行われたとしても、ひとたび死んでしまえば、敵味方関係なく死んだ人を「弔う」という行為は、日本人の良いところ・・・いわば美徳だということです。(残念ながら21世紀の世の中になり、人々の価値観も多種多様となり、供養などは二の次になっている場合も少なくないですが。。。)
 展示で取り上げられている因州兵はそのほとんどが無名の兵士たちです。しかし、墓が残ったことにより、墓の向こうにわずかながらその人の人生が見えてきます。いわば、墓というのはその人の生きた唯一の証ともいえるのです。

 震災後、同館の学芸員さんが福島のある地域を訪ねたところ、以前調査した因州兵の墓石が割れていたということでした。
 こうした災害や、あるいは寺などが無縁仏の墓を撤去したりで、長い歳月の間に墓というのは失われていきます。
 墓が失われるその前に、郷土の先人の墓を改めて調査するというアプローチの仕方がユニークで、私的には感心させられました。
 展示の最後のほうで、各地の墓が一覧表になっており圧巻でした。
 維新からおよそ150年もの歳月が経過し、今では墓を守るべき子孫が見つからない場合も少なくないといいます。

 その他、同展示では鳥取藩と関係があった「山国隊」の資料なども展示されていて、先月は京都から山国隊の子孫の人たちがやってきて、軍楽隊の披露があったという話でした。
 地元の方や近県の方、展示は今月30日までなので、ぜひ一度ご覧になってみては如何でしょうか。ローカル局ではありますがテレビCMまで流したという展示ですので、展示にかける力の入れようが偲ばれました。
 なお、私は同館の学芸員さんのご教示を受けて、この後ほんの一部ですが「因州兵の墓参り」をしてきました。

鳥取市歴史博物館(やまびこ館)
 鳥取市上町88 電話0857-23-2140  9:00~17:00 (最終日のみ18:00まで開館) 月曜(祝日の場合、その翌日)休
  
より大きな地図で 鳥取市歴史博物館 を表示


 
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テーマ : 展示会、イベントの情報
ジャンル : 学問・文化・芸術

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感動しました。

素晴らしい展示会ですね
そういう企画を各地でやって欲しいです。

Re: 感動しました。

 酔いどれJohnny様

 こんばんは。コメントどうも有難うございます。

> 素晴らしい展示会ですね
> そういう企画を各地でやって欲しいです。

 そうですね。同館では以前から戊辰戦争で犠牲になった人々の墓を調査していたということです。目のつけどころがユニークだなと思いました。
 私もこういう展示は最近まで知らなかったのですが、もうすぐ会期終了とのことで急遽鳥取まで行ってきました。

NoTitle

初めまして。
前回は足跡だけ残していって申し訳ありません…

とても、深いお話で感銘を受けました。
遠方までも調査を実施し展示されているとのこと、学芸員さんたちの誠意がすばらしいと思いました。

見てみたかったです。
残念。



Re: NoTitle

 みゅった様

 はじめまして。コメントどうもありがとうございます。

> 初めまして。
> 前回は足跡だけ残していって申し訳ありません…
>
> とても、深いお話で感銘を受けました。
> 遠方までも調査を実施し展示されているとのこと、学芸員さんたちの誠意がすばらしいと思いました。

 いえいえ、こちらこそ。みゅった様のブログにアクセスしてみたら、秋田城のことが書いてあって懐かしいなあ。。。と思いまして。3年前だったかな、雪が積もっている寒い頃に一度行きました。

 地方だといろいろ知らない事も多いので、博物館でちょっとお勉強も楽しく感じます。「お墓」とかちょっとマニアックなお話でスミマセン。(^^ゞ (このブログでは「城」と「墓」を扱っております)
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