スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

絵島囲み屋敷

 つづき
 高遠町歴史博物館に隣接して、小さい木造の平屋があります。これを「絵島囲み屋敷」といいます。
絵島囲み屋敷1

 江戸時代中期、江戸城大奥で権勢を極めた絵島という名の上臈がいました。
 絵島は御家人の娘で、最初紀伊徳川家の奥向きに仕えていましたが、やがて甲府の徳川綱豊(後の六代将軍家宣)の側室であるおきよの方のもとへ出仕します。
 甲府綱豊が将軍になると、おきよの方に伴い絵島も大奥に移りますが、彼女は才色兼備であり、細やかな気働きもあったようで、おきよの方からの信頼も厚かったといいます。
 正徳二年、家宣は51歳でこの世を去りますが、家宣の子はおきよの方が生んだ四歳の鍋松丸しかいなかったので、この鍋松丸が世継となり、七代将軍・家継となります。
 おきよの方は髪を下ろし「月光院」と名乗るようになりますが、将軍の生母として大奥で権勢を振るうようになります。月光院の引き立てもあって、絵島は「大年寄」という大奥の女中達を取り仕切る地位にまで出世します。

 正徳4年、絵島はお供を従えて前将軍家宣の墓参に出かけますが、その帰り、木挽町にあった山村座という芝居小屋に立ち寄ります。山村座にはこの頃生島新五郎という当代きっての美男役者がいて、おそらく彼がお目当てだたったのでしょう。
 芝居見物の後、生島新五郎ら役者を呼んで御茶屋で酒宴となりましたが、時がたつのも忘れ杯を重ねていたところ、大奥の門限に遅れてしまいます。大奥七つ口の門限は午後4時ごろだったということです。

 この一件が江戸城中で評判となり、幕閣もこれを問題視したことから、たちまち一大スキャンダルに発展してしまいました。
 当時、大奥では前将軍家宣の正室である天英院と、将軍世子の生母である月光院が対立していましたが、かねてから月光院の権勢を苦々しく思っていた天英院はまさに好機到来といわんばかりに絵島の門限破りの一件を利用し、月光院やその子・家継に仕える新井白石、側用人間部詮房らを追い落としにかかりました。

 こうして、政争の具に利用された絵島は罪に問われ、死一等は減じられて信州高遠藩へお預けになってしまいました。実質的な流罪です。この事件で山村座は廃座となり、生島新五郎も三宅島へ流罪と決まりました。実に1500人もの処罰者が出たという大事件に発展したのです。

 高遠に流された絵島は、最初お城から一里ほど距離のある場所へ幽閉されますが、5年後にこの地に移動させられたということです。
 なお、絵島の囲み屋敷は当時の絵図に基づく復元です。間取りは以下の写真のように狭いです。
絵島囲み屋敷6

 絵島が幽閉の日々を過ごした八畳の間。罪人ということで、一年中裸足のままで、冬でも足袋を履くことを許されなかったとか。 
絵島囲み屋敷3

 しかし、窓には「はめころし」と呼ばれる格子戸がつけられ、庭にも一切出られません。(写真は2007年時)
絵島囲み屋敷4

 絵島の居室に隣接して番人の詰所があり、絶えず監視下に置かれます。これでは気が休まる間もありません。
絵島囲み屋敷5

 至るところに格子戸が付けられ、外界と接触できないようになっています。屋敷の周りも「武者返し」のついた塀で厳重に囲まれていました。(写真は2007年時)
 絵島囲み屋敷2

 絵島はこの牢屋敷で、寛保元年(1741年)61歳で死ぬまで27年間を過ごしました。油断して羽目を外しすぎたことが彼女の人生を狂わせました。ただ、前にも書いたように政争の具に利用され陥れられたという背景があり、気の毒な限りです。
 この屋敷は5分くらいあれば見られます。(内部には入れません) 
 次はかわいそうな絵島さんのお墓参りを⇒「絵島の墓」へ。

にほんブログ村 歴史ブログ 城・宮殿へ 人気ブログランキングへ  
関連記事

テーマ : 桜や紅葉の名所・観光地情報
ジャンル : 旅行

コメントの投稿

非公開コメント

絵島

「絵島」については、本でも読んだし、映画も見たのですが、高遠にこんなゆかりの地があるとは知りませんでした。
また近くまで行くことがあれば、ぜひ立ち寄ってみたいですね。

Re: 絵島

> 「絵島」については、本でも読んだし、映画も見たのですが、高遠にこんなゆかりの地があるとは知りませんでした。
> また近くまで行くことがあれば、ぜひ立ち寄ってみたいですね。

merry様
こんばんは。コメント有難うございます。
「大奥」人気もあって、絵島の名前を知っている人は多いようですが、高遠へ流されたことまでは知られていないみたいですね。
政治的な思惑に翻弄された気の毒な運命でしたね。
ブログランキング
「もののふの心」および歴史的遺産を後世に伝えましょう♪
うさぎ
  ↓ ↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリ
ご注意 ごくたまに、「城」「史跡」「お墓」等の話題が、ドラマ関連やその他のカテゴリとして登録されている場合があります。
月別アーカイブ
最新コメント
FC2カウンター
おきてがみ
お気軽にどうぞ(お返事が遅くなる場合があります)
プロフィール

A☆六文銭

Author:A☆六文銭
ブログテーマ
日本100名城完全制覇と有名人の墓めぐり(掃苔)
日本100名城スタンプラリー終了・・・2011年7月、根室半島チャシ跡群にて、無事100名城完全制覇しました。
2010年5月、47都道府県踏破済み。(離島を除く)
歴史の現場を、実際歩いて確かめることをモットーに、全国を行脚中。いつかあなたの住む町へ行くかもしれません。
東京生まれ東京育ち。
大卒後、音楽関係の仕事、専業主婦、現在は零細企業で総務関係の仕事をしています。

★当ブログ内の文章、写真等はすべて無断転載禁止です。宜しくお願いします。
★当方と連絡を取りたい方は、下部メールフォームからお願いします。(ご感想はなるべくコメント欄のほうにお願いします)
※Twitter、Facebookはやってません。

最新記事
おすすめ書籍
リンク
RSSリンクの表示
検索フォーム
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。