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「家康と慶喜」(静岡市美術館)

 先週、静岡・駿府公園にて開催された「静岡戦國祭」の続きです。桶狭間のシンポジウムが終わった後、帰りの新幹線が来るまで2時間半くらい時間が出来てしまいました。駿府城近辺の史跡巡りは以前してしまったし、さてどうやって時間つぶそうかな、と思ったところ、静岡駅の側にある静岡市美術館で歴史系の展示をやっているということで最後に行ってみることにしました。
 その美術館は、その名も「葵タワー」というビルの中にありました。以前静岡に来た時はたしかなかったような・・・。どうやら美術館は昨年オープンしたばかりらしいですね。
葵タワー


 「家康と慶喜」 静岡にゆかりの深い、江戸幕府最初と最後の将軍を取り上げています。これまで、徳川家康や慶喜については、いろんな博物館等で展覧会はありましたけれども、今回は美術史的なアプローチを試みた趣旨で開催されたということです。
 家康と慶喜

 徳川記念財団全面協力のもと実現した展覧会ということで、なかなか充実していました。当然の事ながら、家康に関しては久能山東照宮、慶喜に関しては茨城県立歴史館から借りてきたものが多かったですが、未見の品も多く、楽しみながら拝見しました。

 まず家康ですが、一番印象に残ったのは、まだ「竹千代」と名乗っていた少年時代、人質先の今川義元からプレゼントされたという「紅糸威腹巻」です。こんなモノが残っていたんですね~。
 家康が今川義元の所に人質でいた時期というのは、一般的には家康の苦難の時代と思われがちですけれども、こうやって義元からのプレゼントを大切に保管していたところを見ると、人質とは言え、家康は義元によくしてもらっていたようですね。
 ただ、その後の家康は義元から偏諱を受けた「元康」という名を捨ててしまったり、義元の姪で正室であった築山殿と疎遠になったり、やむを得ない事とは言え、今川時代を払拭するかのような行動を見せているのですけれどもね。しかし、心のどこかでは義元への謝恩の思いはあったかもしれませんね。遺されたこの品が、家康の隠された思いを語っているような気がしました。
 それから、家康が使用していたという金箔が貼られた扇形のでかい馬標というのがありました。これも自分にとっては未見だったのですが、幕末になって、14代将軍徳川家茂が長州征伐の際に使用したんだそうです。

 それから、重要文化財の「刀 義元左文字」というのがありました。南北朝時代に作られた刀だそうですが、所有者の変遷が面白い。まとめてみると…
 三好宗三が武田信虎(信玄の父)に贈る→信虎の娘が今川義元へ嫁ぐ時に持参→今川義元の愛刀に→桶狭間で義元が戦死 織田信長の戦利品に→本能寺の変で信長死す→豊臣秀吉がかっさらう→子・秀頼が相続→大坂の陣で秀頼死す 徳川家康の戦利品に→徳川家に伝来→明治維新後に信長を祀った神社に奉納

 という経過だそうです。つまり、天下人を魅了した刀だということですね。刀に限らず、茶道具などでもこういった天下人がリレーで所有していた品がよくありますね。これも未見だったので興味深かったです。

 
 一方、最後の将軍徳川慶喜関連の史料ですが、そのほとんどが彼が撮影したという写真でした。慶喜が写真に深い関心を持っていたことはよく知られていますが、今回、所有先の茨城県立歴史館で新発見されたものをはじめとして多数の写真が展示されてました。茨城県立歴史館は一橋徳川家から多くの関連史料を寄贈、寄託されています。
 慶喜が将軍を退いてから世を去るまでの長い歳月、彼が趣味の世界に生きたことはよく知られています。失意の中で隠遁生活を送る彼の慰めになったものは主に写真撮影でした。
 今回展示されているもので、明治に入ってから家族を撮影したものが圧倒的に多いということですね。奥方や側室、多くの子女、親戚など実にたくさんの人々が被写体になっています。
 それから、意外だったのが写真のほかに、慶喜は油絵にも興味を持っていたようで、今回彼が描いたという油絵数点が展示されていました。
 慶喜と言う人は、幕府崩壊寸前に大坂城に多くの将兵を置き去りにして、自分は開陽丸に乗って逃げ帰ってきたエピソードなどを聞くに、将軍としてはイマイチの人物だったと私などは思っているのですが、このような芸術の才能は一級のものがあったようです。

 この日は日曜日とあって、観客も多く展示室内は混雑していました。ご年配の方から小学生ぐらいの子供さんまで熱心に見学していました。学芸員さんの話によると、静岡の人は元々歴史が深い土地柄だけに、今回の展示へ関心を寄せる方達が多かったようです。江戸幕府崩壊後、徳川宗家は家臣団を連れて一時期静岡へ移住していますので、幕臣だった人の子孫なども少なくないのではないでしょうか。

 こういう人たちにもっとアピールして、「戦國祭」へ誘導したらよかったんじゃないですかねえ、とつくづく思いました。

 なお、展示の方は美術館のHPを確認したところ、昨日(30日)で終了していました。2月くらいまでやっているかなあと勘違いしていました。あしからず。

            つづく

 参考サイト 静岡市美術館公式サイト

 
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日本100名城スタンプラリー終了・・・2011年7月、根室半島チャシ跡群にて、無事100名城完全制覇しました。
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大卒後、音楽関係の仕事、専業主婦、現在は零細企業で総務関係の仕事をしています。

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