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明智光秀と坂本城 (二)

 ※明智光秀と坂本城(一)より続き

 国道161号線を西側に渡り、一本細い道を入ると、住宅街の中に「坂本城」の石碑があった。古いもので、大正時代に建てられたようである。

 坂本城石碑

 石碑の後方に「東南寺」(大津市下阪本3-6-14)という天台宗のお寺がある。寺名の由来は、比叡山の東南に位置するからだという。史跡案内の本によると、この境内に坂本城落城の折、討死した明智一族の首塚があると書いてあった。
東南寺

 狭い境内だったが、首塚はどれなのだろう。石仏や小さい墓石などがうず高く積み上げてある、コレか?
東南寺2

 判然としないので、お寺の方に尋ねてみることにした。出てきてくださった女性(住職夫人?)がおっしゃるには、「これは首塚ではないんですよ。以前、ある本にこれが明智の首塚だと掲載され、誤った情報が広がってしまいました。境内にあった石仏などを積み上げてあるに過ぎないのです」
とのこと。史跡の本やホームページなどでも、長らく間違った情報が書いてあったのだ。お寺の方にお聞きして正解だった。
 続けて、お寺の方は「ここから歩いてすぐの個人のお宅様に明智塚という祠があって、お祀りされていますから見ていかれては…」とおっしゃる。親切にご教示いただき、どうも有難うございました。

 東南寺の方が言われたとおり、寺の北側、歩いて2、3分の所の、161号線沿いの個人宅の敷地内に「明智塚」はあった。
明智塚
 
 坂本城落城の折、城を守っていた明智光秀の娘婿である秀満が、光秀所有の名刀、宝物などが失われるに忍びないとそのほとんどを城を取り囲んでいた敵将・堀秀政の元へ送り届けた。しかし、光秀秘蔵の「郷義弘」の脇差だけは死出の山で主君に渡すのだと、敵方に引き渡さずにこの地に埋めたという言われがある。

 161号線を湖岸側に渡り、城跡公園の方へ戻る道すがら、とある企業の研修施設があった。
 入口に新しめの「坂本城」の説明碑があった。
坂本城4

 平成6年および14年の琵琶湖の渇水時、こちらの敷地より沖7mのところから、坂本城の石垣が出てきたという。
 私有地なので立ち入るのは遠慮し、遠くからその場所を撮影した。この付近が本丸跡ということだそうである。
坂本城3

 前項でルイス・フロイスが坂本城について書いていることを記したが、もう一人坂本城について書き残した同時代の人物がいる。
 西国の雄・島津氏の武将で、島津家久という人物がいた。島津義久・義弘兄弟の異母弟にあたり、武勇に優れたことで知られた人である。
 家久はこの時、29歳。家来衆を引き連れ、はるばる薩摩から畿内へ向けて旅をしていた。その途中で、ここ坂本へ立ち寄ったのである。
 家久は城主である光秀から遣わされた家来達の出迎えを受けた。坂本の町に宿泊した家久は、月が皓皓と湖水を照らす中を小舟に乗って、坂本城を見物した。
 光秀はさらに家久をもてなそうと城へ招いたのだが、家久は遠慮してそれを断ったので、光秀は気を利かして城の近くに家久のために一席を用意させ、連歌や茶の湯を催して饗応したという。
 その後、家久の緊張もやっとほぐれたものか、彼は坂本城に案内されている。
 家久が目を見張ったのは、城内のあちらこちらの倉に、篭城に備えた貯えが充実していたことであった。それに関する感想をわざわざ記している。武将ならではの観点と言える。

 この時の光秀との会見の思い出を、後に家久はていねいに書き残している。(『中書家久公御上京日記』)薩摩の田舎から初めて上京してきた若き武将の目に、自分を歓待してくれた明智光秀と坂本城はことの他強い印象として残ったようである。

 このように、坂本城の遺構は長い歳月の間にほとんどが失われてしまった。今となっては「幻の城」となってしまった坂本城であるが、想像をたくましくして、思いを馳せてみるのも一興であろう。

    
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非公開コメント

勉強になりました!

坂本にはそんな逸話があるのですねぇ。
勉強になりました。m(_ _)m

ポチッポチッと☆


【担当】安川様

 ちょっと長文になりすぎちゃいましたね(汗) 
 最後までお読みいただき、有難うございますv-354
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日本100名城スタンプラリー終了・・・2011年7月、根室半島チャシ跡群にて、無事100名城完全制覇しました。
2010年5月、47都道府県踏破済み。(離島を除く)
歴史の現場を、実際歩いて確かめることをモットーに、全国を行脚中。いつかあなたの住む町へ行くかもしれません。
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大卒後、音楽関係の仕事、専業主婦、現在は零細企業で総務関係の仕事をしています。

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