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武士の肖像

 つづき
 
 水戸藩は徳川御三家の一つでありながら、参勤交代を免除され、江戸定府を許された特殊な家柄でした。
 しかし、徳川宗家に世継がいなかった場合、水戸家からは将軍候補を出すことは出来なかったといわれています。
 水戸家からは、幕末までに二人の個性的な殿様を輩出しています。
 一人はご存知、水戸黄門こと徳川光圀ですね。(この日、イベント会場にて「黄門様」のご当地キャラを見つけてしまいました)

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 もう一人は、江戸時代後期の徳川斉昭(1800~1860)です。最後の将軍・徳川慶喜の実父です。
PICT0118l.jpg

 光圀は「義公」それに対し、斉昭は「烈公」と呼ばれました。

 斉昭という人は先日紹介した「桜田門外ノ変」にも登場するんですが、このお方、生来野心的な人物で、条約調印や将軍継嗣問題をめぐって幕政に口を出しすぎたため、大老・井伊直弼から疎んじられ、後に「安政の大獄」で永蟄居を申しわたされてしまいます。

 現在、水戸市内にある茨城県立歴史館では企画展【武士の肖像~描かれた水戸藩士】が開催されています。

DSCF3970.jpg
DSCF3952.jpg

 正直、私はあまり水戸藩には関心が薄いというか、水戸藩って過激な尊攘運動に走ったり、ラディカルな面があるので引いてしまっていたんですが、「“武士”の肖像」というタイトルを目にしては、当ブログ管理人としてはじっとしておられません(笑)

 この日、たまたま同館主任研究員の原口氏によるギャラリートークが開催されていて、それに参加しました。
 江戸時代後期、どういう訳か、水戸藩では絵描きの上手な藩士に命じて、殿様やその家族、家臣たちの姿を肖像画として描かせていたということです。
 上のリンク先にある同館のサイトをご覧いただくと出品の一部が紹介されていますが、有名な藤田東湖ですとか、「天狗党」の武田耕雲斎といった人たちの顔がリアルに描かれています。

 まだ写真術がわが国で導入される少し前でしたので、このような絵姿を残してくれたおかげで、斉昭やその家族、重臣たちの風貌が今でもわかります。
 今回の展示は「歴史」というよりも、むしろ「美術史」的な意味合いで、興味深い点があるように思います。

 なお、殿様(斉昭)の立派な衣冠束帯姿の肖像画がありましたが、顔はリアルに写生しても、首から下の身体の部分は別途で描いているという話でした。
 その肖像画はわざわざ2パターン描かれていて、(一つは髭あり もう一つは髭なし)領民に畏敬の念を持ってもらうためには、どちらの画が好感触なのか、周囲の反応をうかがうためにそのようになされたという話です。
 ですから、殿様の肖像画は領民に対する「宣伝的効果」を目的として作成されていたのだとか。

 30分程度の短いトークではありましたが、話の要点がしっかりまとめられており、とても聞きやすかったです。
 加えて、「桜田門外ノ変」に関する錦絵も同時に展示されていました。

 私は武田耕雲斎が若い頃自ら描いた「自画像」がユーモラスで面白かったです。彼はアバタ面(疱瘡の痕)でどう見てもイイ男とはいえないんですが、彼はアバタの一つ一つまで几帳面に写しとっているのです。
 自らの顔を鏡を見ながら、一生懸命描いている姿が想像できて、笑えました。(耕雲斎は後に悲劇的な最期を遂げるので、まだ風雲急を告げる前の暢気な頃の彼がしのばれました)

 午後は、すぐ近所の会場で開かれた同館主催の「桜田門外ノ変」に関する講演会を聞きました。
 この日、歴史館の敷地内では「歴史館祭り」というイベントが開催されていて、親子連れが多かったです。

 この博物館は今回始めて来館しましたが、必ずしも一般受けはしないであろう内容(?)ながら、なかなか渋いところをついた企画展をちょくちょくやっているみたいで、また機会があったら行ってみようと思いました。

 なお、同展示は今月26日(日)までとなっています。
 
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日本100名城スタンプラリー終了・・・2011年7月、根室半島チャシ跡群にて、無事100名城完全制覇しました。
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歴史の現場を、実際歩いて確かめることをモットーに、全国を行脚中。いつかあなたの住む町へ行くかもしれません。
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大卒後、音楽関係の仕事、専業主婦、現在は零細企業で総務関係の仕事をしています。

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